soe006 drinks Salty Coffee 今日の1曲(8)

ジャズ倶楽部

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スタンダードソングとモダンジャズ/今日の1曲


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A Cottage for Sale / Roberta Flack
Roberta (Atlantic)

Roberta
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「Killing Me Softly With His Song やさしく歌って」(73年)、「Feel Like Makin' Love 愛のためいき」(74年)のヒットで知られるロバータ・フラックは、1937年2月ノースキャロライナ生まれ。
アルバム『Roberta』は1994年録音のスタンダード・ソング集で、「A Cottage for Sale」ほか15曲を、R&Bの黒人歌手にしてはアクのない素直な唱法で唄っています。
「A Cottage for Sale」は、売りに出されている別荘を眺めながら、そこで過ごした恋人との(再び返ることのない)思い出を歌った、今の季節にピッタリの失恋ソング。
ラリー・コンリー(作曲)とウイラード・ロビンソン(作詞)による、1930年の作。
2004/09/17

I've Got You Under My Skin / Carol Sloane
Subway Tokens (Moonbeam)

Subway Tokens
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1975年11月、ノース・キャロライナ州ローリーでのライヴ録音。
オリジナル原盤はプライベート・リリースで、ひと頃は幻の名盤として扱われていました。20年くらい前にテイチクが日本盤(LP)を発売して以来、市場から姿を消していましたが、昨年(2003年)の秋にようやくCD化されました。
この名盤がCDで容易に入手できるのだから、ニッポンのレコード業界も捨てたものではありません。
キャロル・スローンは1937年3月ロードアイランド州生まれ。地元のダンスバンドで専属歌手としてデビューし、60年代に入ってからはニューポート・ジャズ・フェスティバルなどに出演、アップテンポもスローバラッドも楽々こなす実力派。
デューク・エリントンを敬愛し、エリントン・ナンバーばかりを収録した『Sophisticated Lady』というアルバムもあります。こちらも名盤。
「I've Got You Under My Skin」は、エリノア・パウエル、ジェームズ・スチュアート共演のMGMミュージカル『踊るアメリカ艦隊 Born to Dance』(1936年製作)で唄われたコール・ポーターのナンバー。日本では「あなたはしっかり私のもの」の邦題でも知られています。
フランク・シナトラの名唱が有名ですが、このレコードでのキャロルは、リラックスした雰囲気を心から愉しんでいるような快唱。中盤、ピアノのポール・モンゴメリーがサッチモの物真似を交えて茶々を入れてくるところも愉快。
粋なヴォーカルを聴きたい人、必携の1枚。
2004/09/18

Honey Pie / Tuck & Patti
Love Warriors (Windham Hill)

Love Warriors
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パティ・キャスカート(ヴォーカル)とタック・アンドレス(アコースティック・ギター)の夫婦デュオ。
『Love Warriors』は1989年のリリース。
この人たちのアルバム・ジャケットは、見ているほうが気恥ずかしくなるくらいベタベタしてるものが多いですね。
……どうでもいいことですが。
仲良きことは美しき哉 (by 武者小路実篤)
タック&パティ公式サイト ≫Tuck & Patti Pomepage
2004/09/19

I'm Always Chasing Rainbows / Sammy Davis Jr.& Laurindo Almeida
Sammy Davis Jr. Sings Laurindo Almeida Plays (Reprise)

Sammy Davis Jr. Sings Laurindo Almeida Plays
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1918年のミュージカル『Oh, Look!』のためにジョセフ・マッカーシー(作詞)、ハリー・キャロル(作曲)が作った曲となっていますが、原曲はショパンの「幻想即興曲(即興曲第4番)嬰ハ短調」。
このようなクラシック音楽のポップス化は昔から多くなされていて、このコーナーでも「Blue Danube / レス・ブラウン楽団」(ヨハン・シュトラウスの「青きドナウ」)「Stranger in Paradise / トニー・ベネット」(ボロディンの「ダッタン人の踊り」)を紹介してきました。
他にJ・S・バッハの「メヌエット」を原曲としたサラ・ヴォーンの「Lovers Concerto」や、チャイコフスキーの交響曲第5番第2楽章をフランク・シナトラが唄った「Moon Love」など数多くあります。
近年では伊藤君子の「Follow Me」(ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」)が、アニメ映画で流用されヒットしましたね。
「I'm Always Chasing Rainbows」は、1938年にハリー・ジェイムズ楽団のレコードがヒットして以来、様々なヴァージョンが録音されてきました。1941年のMGM映画『美人劇場 Ziegfeld Girl』ではジュディ・ガーランドが唄い、1973年のブロードウェイ・ミュージカル『Irene』ではデビィ・レイノルズも唄っています。
他にペリー・コモやトニー・ベネットのヴァージョンも有名です。

Will You Still Be Mine? / Matt Dennis
Matt Dennis Plays and Sings (Kapp)

Matt Dennis Plays and Sings
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トミー・ドーシー楽団の専属アレンジャーだったマット・デニスによる自作自演集。
1953年ロサンゼルスのクラブ「タリー・ホー」でのライヴ録音。
パーソネルは、マット・デニス(vo,p)、ジーン・イングルンド(b)、マーク・バーネット(ds)。アルバムでは夫人のヴァージニア・マキシーとのデュエットも2曲聴くことが出来ます。
「Will You Still Be Mine?」は、マット・デニス(作曲)とトム・アデア(作詞)による1941年のナンバー。
恋人たちが5番街を散歩しなくなっても、ハドソン川の川面に映る月光がロマンティックに見えなくなっても、砂漠の砂がなくなっても、それでも君は僕と一緒にいてくれるかい?(Will You Still Be Mine?)
リラックスした雰囲気のライヴハウスで、恋する男のウキウキ気分を軽妙に唄い、軽快に演奏しています。
多くの歌手によってスウィンギーに唄われている曲ですが、演奏盤ではレッド・ガーランド・トリオの『Groovy』(Prestige)が有名です。
2004/09/21

Continental / Fred Astaire with Oscar Peterson
Steppin' Out: Astaire Sings (Verve)

Steppin' Out
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1952年12月、ロサンゼルスでスタジオ録音された、フレッド・アステア(vo)とオスカー・ピーターソン(p)の豪華なコラボレーション。
このセッションはノーマン・グランツのClefレーベルから、10インチLP4枚シリーズでリリースされました。
パーソネルは他に、チャーリー・シェイヴァース(tp)、バーニー・ケッセル(g)、レイ・ブラウン(b)、アルヴィン・ストーラー(ds)。
この曲では出番がありませんが、セッションにはフリップ・フィリップス(ts)も参加しています。
「Continental」は、1934年に製作されたRKOのミュージカル映画『コンチネンタル Gay Divorce』の主題歌で、同年に新設されたアカデミー歌曲賞の、最初の受賞曲となりました。
唄っているのはもちろんフレッド・アステア。
作曲はコン・コンラッド、作詞はハーブ・マジッドソンです。

Jazz Me Blues / Bix Beiderbecke and His Gang
Chicago Cornets (Fantasy/Milestone)

Chicago Cornets
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ビックス・バイダーベック・アンド・ヒズ・ギャングによるジャズ創生期の録音ですが、それとは思えないほど音質が良いので驚かされます。
ビックス・バイダーベックは1903年3月10日アイオワ州ダベンポート生まれ。厳格な家庭に育ち、いったんはレイク・フォレストの陸軍士官学校に入学しますが、すぐに退学してシカゴの盛り場で演奏活動を開始。彼をリーダーとしたバンド、ヒズ・ギャングを率いて、シカゴ・ジャズの礎を築きました。彼の演奏は独学によるもので、楽譜も読めませんでしたが、コルネット演奏はルイ・アームストロングと競い合うほどの腕前と評判でした。
しかしアメリカは禁酒法時代の真っ直中、インチキ密造酒の飲み過ぎでアルコール中毒となり、1931年8月6日、肺炎と脳浮腫で死去。わずか27年の生涯でした。
バイダーベックをモデル(主人公)とした映画は、これまでに2本作られています。
『情熱の狂想曲 Young Man With a Horn』(1949年)
主演:カーク・ダグラス、監督:マイケル・カーチス
『ジャズ・ミー・ブルース Bix』(1990年)
主演:ブライアント・ウィークス、監督:プピ・アヴァティ
『情熱の狂想曲』にはホーギー・カーマイケルやドリス・デイも出演しており、音楽ファン必見の映画です。機会がありましたらぜひご覧ください。
余談ですが……ファッツ・ナバロ(26歳・死因は麻薬と結核)、クリフォード・ブラウン(25歳・交通事故)、リー・モーガン(34歳・愛人の銃弾)……名手として期待されたトランペッターは、若死する人が多いですね。
「Jazz Me Blues」の作曲はトム・デラニー(Tom Delaney)。
1927年10月5日ニューヨークで録音。
2004/09/23

Fly Me to the Moon / Rita Reys
Relax with Rita & Pim (Philips)

Relax with Rita & Pim
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クセのないハスキー・ヴォイスが魅力のリタ・ライスが、1958〜66年に録音した、ボサノヴァ・ナンバーを中心に集めたコンピレーション盤。
ピアノのピム・ヤコブはリタの夫君。息のあった伴奏がリラックスした雰囲気を醸し出しています。庶民的で親しみやすい、下町ヴォーカル・ジャズと呼びたい1枚。
原曲は「In Other Words」というタイトルの3/4拍子のワルツ曲で、1954年にバート・ハワードが作詞・作曲しました。この曲を最初に録音したのはケイ・バラードです。
1962年にブームだったボサノヴァにアレンジしたとき、現在のタイトル「Fly Me to the Moon」となって定着しました。
この曲をスタンダード・ソングに押し上げた功労者はフランク・シナトラで、カウント・ベイシー楽団と共演したヴァージョンは、クリント・イーストウッドの映画『スペース・カウボーイ』(2000年)でも流用されていました。
流用といえば、この曲はアニメ映画『新世紀エヴァンゲリオン』(1997年)でも使われていて、それ以来、宇多田ヒカルなどの歌謡曲の人が頻繁に唄うようになりました。往年のスタンダード・ナンバーが若い人に聴かれるのは嬉しいことですが、ジャズ喫茶ではリクエストしないでください。他のお客さんの迷惑になりますから。
(いや、そんなCDは置いてないと軽くあしらわれ、蔑むように冷笑されてしまうのがオチです)
さて、今年(2004年)の中秋の名月(十五夜)は9月28日です。
ずっと雨模様の天気が続いていますが、当日は綺麗なお月様が見られるといいですね。
2004/09/24

Moonlight Serenade / Nara Leao
Meus Sonhos Dourado (Universal International)

Meus Sonhos Dourado
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ブラジルのボサノヴァ歌手、ラナ・レオンが、超有名なアメリカ産のスタンダード・ナンバーをポルトガル語で唄っています。
これって日本に置き換えると、金沢明子が日本語で、三味線と尺八をバックにぐりぐりとコブシを利かせて唄ってるようなもん? (←ずいぶん違う)
休日の気怠い午後、テラスでカンパリ・ソーダなんか飲んでるときにこんなBGMが流れてきたら最高にオッシャレーですね。
1987年リリース。日本でのアルバム・タイトルは『あこがれ』。
2004/09/28

The Man I Love / Rita Coolidge
Out Of The Blues (Music Avenue)

Out Of The Blues
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A&Mレコードに在籍していた1975年に、リタ・クーリッジがレコーディングしていたスタンダード・ソング集。契約関係のトラブルがあってCDは1996年になってからリリースされました。
「私の彼氏 The Man I Love」の他、表題曲「Out of the Blues」、「Black Coffee」など11曲を収録。
もともとはカントリー出身の(かつてはクリス・クリストファーソンと結婚していた)ポップス歌手でしたが、突如としてスタンダード・ナンバーに挑戦。
同じくカントリー畑出身のリンダ・ロンシュタットもネルソン・リドル楽団とのコラボレーションで優秀なスタンダード・アルバムを3枚発表していますが、こちらはピアノをメインにしたクインテットを伴奏に唄い、ロンシュタット盤に勝るとも劣らない秀作アルバムになりました。
パーソネルは、リタ・クーリッジ(vo)、バーバラ・キャロル(p)、チャック・ドメニコ(b)、マイク・アトレー(org)、ディーン・パークス(g)、コリン・ベイリー(ds)。
「私の彼氏 The Man I Love」は、アイラとジョージのガーシュウィン兄弟が、1924年のミュージカル『Lady be Good!』のために書いたナンバー。
リタはヘンなフェイクは一切加えず、素直に唄っていて好感が持てます。コーダでバーバラ・キャロルのピアノが、ジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー Rhapsody in Blue」の一節をチラリと聴かせるところなんか、じつに粋です。
サイト内関連ページ≫Standards & Jazz「The Man I Love」
2004/09/29

Empty Ballroom Blues / Johnny Hodges
Hodge Podge: The Best of the Duke's Men, Vol.1 (Definitive)

Hodge Podge
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ジョニー・ホッジスは、1906年7月マサチューセッツ州ケンブリッジ生まれ。14歳でサックスを始め、シドニー・ペシェに師事。
1928年5月にデューク・エリントン楽団に加わり、自分の楽団を持っていた時期(51〜55年)を除く約40年間、エリントン楽団の重要なスター・プレイヤーとして活躍。
1970年5月、ニューヨークにて心臓麻痺で死去。
このCDは、エリントン楽団からのピックアップ・メンバーによるコンボ(コンビネーション・バンド)による1938〜39年の録音より、ジョニー・ホッジスのソロをメインとした演奏を編纂したコンピレーション盤です。
第1期絶頂期と呼ばれるだけあって、ホッジスのアルトは伸びやかに響き、まるで天馬の如き飛翔をみせています。音質の悪さには目をつぶってでも座右に置いておきたい名盤。
1938年録音の「Empty Ballroom Blues」は、ホッジスに続いて、ローレンス・ブラウン(tb)、クーティ・ウィリアム(tp)、ハリー・カーネイ(cl)のソロが披露される軽快なブルース・ナンバー。
ピアノはもちろん御大デューク・エリントン。
2004/09/30

2004/09/07〜09/16 ≪ 2004/09/17〜09/30 ≫ 2004/10/01〜10/12
soe006; E-mail address; soe006@hotmail.com