こと音楽については解説を読んでおくといいですね。たとえばアラン・レネの「プロビデンス」では、音楽がミクロス・ロジャーあるいはミクロス・ローザともいう人であると書いてある。この人は昔、ニューロティックな、又はミステリーふうなドラマにつける音楽をやっていて、うまい人ですよ。(-略-)アラン・レネが頼んだのか、あるいは別の誰かの発案か、とにかく最適の音楽家を選んだものだね。その映画にぴったりなんだよ。そういうことがわかっていて映画を観ると、やっぱり音楽も一応神経を使って聴くから、それだけ楽しめることになる。
「エイリアン」なら、これはもう音楽は決まっている。ああいう映画の音楽は十八番の人、ジェリー・ゴールドスミス。毎年のようにアカデミー賞の候補になっている。現代アメリカの第一線の映画音楽の巨匠ですよ。このジェリー・ゴールドスミスのお師匠さんがミクロス・ローザなんだ。
(池波正太郎「映画を見ると得をする」新潮文庫より引用)
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