映画音楽名曲ベスト100 2005年・冬(4)
December 17, 2005
太字は放送された曲。
第10位 「サウンド・オブ・ミュージック」
ドレミの歌/ジュリー・アンドリュースと子供たち
日本語だったら「ハニホの歌」。「ハは歯医者のハ」とか「ニはにんじんのニ」とか、子供たちが嫌っていそうなモノを並べた替え歌で、ますます子供たちに嫌われてしまう家庭教師ってのはどうかね? 「ホーはホモダチよ~」とかお下劣な家庭教師。<そんなことはどうでもいい。
日本ではこの映画と「メリー・ポピンズ」で、ジュリー・アンドリュースのイメージが固定化されちゃいましたね。「マイ・フェア・レディ」のイライザ役を演っていたら、少しは変わっていたかも。
そもそも歌えない女優をミュージカル映画の主役にキャスティングすること自体が間違っているのだが……。
第9位 「太陽がいっぱい」
フィルム・シンフォニック・オーケストラ
今年、ついにサウンドトラック盤が発売になったニーノ・ロータの名作傑作。
作曲者ご本人は嫌っていたそうだが、日本ではダントツ人気。仏盤だから、サントラ盤がリリースされたことを知らない人も多いんじゃないかな? デジパック仕様のケースが好みの分かれるところですが、なにはともあれ御慶。
番組では懐かしき(実体不明の)国内スタジオ・オーケストラ版をサントラ音源と続けて放送。
第8位 「ひまわり」 サウンドトラック
日本以外ではあまり人気がないらしい。サントラCDも、日本でのみ発売。
マンシーニのベスト・コンピレーションに収録されているのは、これとは別のマンシーニ楽団によるカバー演奏で、ビートが強調されポップ色が強くなっている。
第7位 「禁じられた遊び」
「血と砂」より、愛のロマンス/グラシェラ・バラガ&ヴィセンテ・ゴメス
今回の名曲ベストは「アナザー・サイド・オブ」とサブタイトルが付き、サントラ以外の演奏を積極的に紹介しようという趣向。
この番組ならではの選曲で、なんとヴィンセンテ・ゴメス版(ヴォーカル・ヴァージョン)が登場。映画も別物だし、ナルシソ・イエペスを期待して投票した人は口をあんぐりさせていたことでしょう。
第6位 「風と共に去りぬ」
マイオン・トゥルー・ラブ/ジョニー・デスモンド
定番曲「タラのテーマ」をポップス化したカバー・ヴァージョン。
第5位 「オペラ座の怪人」
ジェラルド・バトラー&エミー・ロッサム
ロイドウェーバーの作品は、かつて「ロック・オペラ」と言ってたけど、最近はそう呼んでいる人はいないのね。ミュージカルがオペレッタの流れをくみ明るいストーリーでハッピーエンドで終わるのに対し、ロイドウェーバーは悲劇を扱っている点で「オペラ」って呼称がピッタリくるんだけど。
第4位 「ロミオとジュリエット」 サウンドトラック
ローレンス・オリヴィエが築きあげた、格調高いシェイクスピア劇の印象を覆した画期的作品。原作戯曲と同じ年齢の役者を使ったことで、青春映画としての瑞々しさが出ました。「ウエスト・サイド物語」の後だけに、製作側にはたいへんなプレッシャーがあったのではないかと思われます。
第3位 「エデンの東」 レナード・ローゼンマン楽団
実験的な音楽の多いレナード・ローゼンマンの、唯一のポピュラー・ヒット。ヴィクター・ヤング楽団の貢献が大きかったのでしょうけどね。
第2位 「スター・ウォーズ」 サウンドトラック
映画も音楽も、既成のものをかき集めたって感じの作品ですが、AFI(American Film Institute=米国映画協会)はじめ世界が認めたナンバーワンの映画音楽ってことです。なんだか釈然としないけど、まぁいいか。
第1位 「タイタニック」
マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン/販促プロモ・ヴァージョン
某大手古本屋チェーンで在庫過多になっている、スーパーヒット曲。
放送で使われているセリフ入り販促プロモ・ヴァージョンは、「バック・トゥ・タイタニック」に収録されています。
今年の名曲ベスト100は、これでおしまい。