I've Got My Love to Keep Me Warm

I've Got My Love to Keep Me Warm

1936年
作詞・作曲/アーヴィング・バーリン Irving Berlin

雪も降っているし、風も吹いている
だけど吹雪だって平気さ
僕には身体を温めてくれる恋があるからね

こんなに寒い12月は初めてさ
だけど氷柱(つらら)だって平気さ
僕には身体を温めてくれる恋があるからね

コートも手袋もないけど
でもなくっても平気さ
僕は恋で燃えているからね

恋の炎はますます燃え上がる
だから吹雪も平気さ
僕には身体を温めてくれる恋があるからね

ダリル・F・ザナックが製作した1937年の20世紀フォックス映画『つねって頂戴(On the Avenue)』のために、アーヴィング・バーリンが書いた曲です。
映画ではディック・パウエルとアリス・フェイがデュエットで唄っていました。

金満家の娘(マデリーン・キャロル)が、恋人の探検家(ジョージ・バービア)とブロードウェイ・レビューを見物にいったところ、二人の関係が揶揄された内容で、腹をたてたマデリーン・キャロルは楽屋に怒鳴り込んだものの、歌手(ディック・パウエル)と恋に落ちてしまいます。
秘かにパウエルに恋心を抱いていた女性歌手(アリス・フェイ)は二人の仲を裂こうと、芝居のあらすじを更に皮肉と侮辱を与える内容に変えて上演。
パウエルに裏切られたと誤解したマデリーン・キャロルは、腹いせに探検家との婚約を発表、サクラの野次馬を大勢雇って舞台を台無しにします。
失恋と失業を同時に味わうことになったパウエルは意気消沈。
その姿を見たアリス・フェイはパウエルへの恋を諦め、マデリーン・キャロルに真相を告白しようと決意しますが、その時はもう結婚式の直前。はたして誤解は解かれ、パウエルとマデリーンは結ばれるのでしょうか?
出会い→恋の発展→破局→再会→ハッピーエンド。ラストが結婚式でめでたしめでたしで終わるのは、ご想像のとおり。典型的なボーイ・ミーツ・ガール形式のスクリューボール・コメディに仕上がっています。

ワーナー・ブラザーズのギャング映画で名声を得たダリル・F・ザナックは、フォックス社に引き抜かれてミュージカル映画を何本か製作していますが、どうもこっちの方面には疎かったみたいで、あまりパッとした作品は残していません。
フォックス社のミュージカル製作はソル・C・シーゲルが引き継ぎ、『紳士は金髪がお好き』(1953)、『ショウほど素敵な商売はない』(1954)などを発表。ザナックは『怒りの葡萄』(1940)や『わが谷は緑なりき』(1941)のジョン・フォード作品、『史上最大の作戦』(1962)や『トラ・トラ・トラ』(1970)などの戦争スペクタクルで本領を発揮します。

職人肌のザナックは、脚本作りから編集に至るまで徹底的に作品に関与していたので、映画のためにバーリンが用意した9曲の歌曲のうち(主題歌「On the Avenue」を含む)3曲をカットしてしまいました。
憤懣やるかたないバーリンは、「物語を処理する君の才能は立派なものだが、音楽に関する私の判断をもっと信頼して欲しい」と、繰り返しメモを渡して抗議したそうです。

レコードはレス・ブラウン楽団の46年録音が全米チャートの1位に輝き、これは古き良き時代の典型的なダンスバンド・スタイルで演奏された「最後のインストゥルメンタル・ヒットのレコード」として記録されています。
エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングのヴァージョンは、エラが唄うメロディにサッチモが調子外れのハーモニーを付けるフィナーレがユーモラス。寒い冬の日を暖かい気分にさせてくれる、和気藹々の雰囲気が愉快です。
ミディアム・テンポの2ビートで唄うシナトラ盤(1961年録音)は、エンディングがカッコいい!
アート・テイタムの変幻自在なアドリブを加えた快調テンポの演奏も聴きものです。

「I've Got My Love to Keep Me Warm」収録アルバム (輸入盤CD)
「アイヴ・ガット・マイ・ラヴ・トゥ・キープ・ミー・ウォーム」収録アルバム (国内盤CD)
アーヴィング・バーリン (DVD・CD/楽譜、伝記・評伝など)

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