1934年
作詞・作曲/コール・ポーター Cole Porter
時代はどんどん変わる
清教徒がプリマスロックに上陸してから
我々は幾度となくショックを与えられ、なんども時計を巻き直してきたのさ
清教徒がプリマスロックに上陸しなかったとしても
プリマスロックの方が清教徒たちにのし掛かってきたと思うよ
昔の人は女性のストッキングをチラリと覗いただけで驚いたものさ
だけど今じゃなんだって平気だろ、「ぜんぜんオッケー」だよね
素晴らしい言葉を知っていた作家たちだって、今じゃ隠語を羅列させている
最近はそんなものさ、それでも「ぜんぜんオッケー」だよな
世の中おかしくなってるんだよ
むかし良かったものはどんどん悪くなってゆく
黒いものは白くなるし
女性に「素敵だね」って声を掛ける男は、女を食い物にするヒモ野郎だけになっちまった
まぁ、そんな世の中だから
俺がプロポーズしたら、君は「ぜんぜんオッケーよ」って返事するだろうね
1934年のミュージカル『Anything Goes』のタイトル・ナンバーです。
初演の舞台ではエセル・マーマンが唄い、その後2度映画化されています。
36年版の映画の邦題は『海は桃色』、唄っているのは舞台とおなじくエセル・マーマン。
56年版は邦題『夜は夜もすがら』で、ミッツィー・ゲイナーが唄っていました。
世の中どんどん変わって、それも悪い方にばかり変わっていくんだから、俺がプロポーズしたら、君も、軽いノリで「ぜんぜんオッケーよ」って返事しなよ、って調子の良い歌です。
価値観の変化が世の人々の道徳観・倫理観を変えてゆく。
ヴァース(冒頭の前口上)に清教徒(ピューリタン)を持ってきたところが、いかにもコール・ポーターらしいですね。もしプリマスロックに上陸しなかったとしても、向こうの方から否応なしにやってくるってところは愉快です。
日本語の乱れに眉を顰めていらっしゃる皆さん、無駄な抵抗はやめましょう。
コール・ポーターのナンバーなら、この人にお任せみたいな感じのシナトラ。ダイナミックにスウィングしています。
デイブ・ブルーベック・カルテットの録音はジャケットが秀逸です。LPジャケットを目当てに買った人ってけっこう多いんじゃないのかな。
ミュージカル『Anything Goes』関連CD(Amazon.co.jp)
『The Ultimate Cole Porter Vol.2』Original Cast Recordings
『夜は夜もすがら』1956 Motion Picture Soundtrack
『Anything Goes』1962 Off-Broadway Cast
『Anything Goes』1987 Broadway Revival
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