1935年
作詞/デュボウス・ヘイワード DuBose Heyward
作曲/ジョージ・ガーシュウィン George Gershwin
夏が来たよ。これで暮らしやすくなるね
魚も跳ねるし、綿も伸びるよ
お前の父ちゃんは金持ち、それに母ちゃんは別嬪だよ
さぁ、だからベイビー、もう泣くのはおよし
いつかあんたも、立ち上がって歌い出す朝がくるんだろうね
それから翼を拡げて、空へと飛んでゆくんだろうね
だけどその日が来るまでは、何も心配しなくていいんだよ
父ちゃんと母ちゃんが、お前の傍にいつもついてるからね
デュボース・ヘイワードの小説『ポーギィ』(1925)を基に制作されたフォーク・オペラ『ポーギーとベス』のためにジョージ・ガーシュウィンが作曲した子守唄。オペラで使われた歌曲は、原作者のデュボース・ヘイワードとアイラ・ガーシュウィンが作詞を分担しているが、この子守唄はヘイワードの単独作詞となっている。
この曲については、多くを語る必要はないでしょう。テレビの歌謡番組でも演歌歌手がコブシを利かせて唄っているくらいだし、おそらく日本で一番知られたスタンダード・ソングじゃないでしょうか。
いつもはエキセントリックなフェイクを聴かせるカーリン・クローグが、この「ガーシュウィン集」ではストレートな歌唱に終始しています。クセが強すぎて彼女が苦手な人でも、このレコードなら大丈夫かも。ちょっと鼻にかかった声が北欧っぽい?
スティーヴ・レイシー(Steve Lacy)のソプラノ・サックスとのデュエットで始まる、ニューヨークのため息、ヘレン・メリル(Helen Merrill)は2度目(1987年)のギル・エヴァンス(Gil Evans)・オーケストラとの共演盤。
デュエットの後に続くギルのアレンジは、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の「Porgy and Bess」 (Columbia)のときとほぼ同じですね。ヘレンはビル・エヴァンス(Bill Evans)をピアノに迎えた「Nearness Of You」(EmArcy)でもこの曲を採り上げているけど、好きなのかな?
単に曲が有名なだけ? ああ、そうですか。
このレコードを誉めると軟弱者に思われちゃうのが、ちょっとね、嫌だけど。
音質さえ良ければ代表作と呼んでもよいのが、チャーリー・パーカー(Charlie Parker)の「ウィズ・ストリングス」。次から次ぎへと繰り出されるメロディの奔流に身を任せること、その快感を楽しもう。
エルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones:ドラム)&リチャード・デイビス(Richard Davis:ベース)を迎えた史上最強のグレート・ジャズ・トリオ盤は2002年11月録音。日本企画だから選曲は凡庸だけど、音は……こりゃ凄い。
ハンク・ジョーンズ(Hank Jones:ピアノ)万歳。
「Summertime」の推薦盤は「twelve storys II」のジョージ・ガーシュウィンの項でも紹介しているので、そちらもご参照ください。
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