How Long Has This Been Going On

How Long Has This Been Going On

1927年
作詞/アイラ・ガーシュウィン Ira Gershwin
作曲/ジョージ・ガーシュウィン George Gershwin

(男性)
ボクがまだ子どもだった頃
姉さんや叔母さんや従妹たちが、いっぱいキスしてくれた
ボクはそれがイヤで堪らなかったね、地獄の気分だったよ
だからボクは誓ったんだ、キスは抹殺しようってね
だけど、今はなんて莫迦なことを誓ったんだろうって反省しているよ

ちょっとした驚きさ
涙も素直に流せるし、心のときめきも感じられる
コロンブスが新大陸を発見したときの喜びだって理解できる
キスしておくれ、もう一度
いつからこんな気持ちになっちゃったんだろう

(女性)
星空の下で、何人もの男たちを抱いてあげたわ
だけどそれはチャリティだったのよ
本気じゃなかったし、5ドルとか10ドルとかお金を貰ってやったことなのよ
だけど今は、本当に倖せな気分に浸っているわ

この気分、なんて素敵なバカ騒ぎ
あなたの腕の中にいるとき、私が眠っていたら起こさないでね
信じられないくらい素敵な夢だから壊さないでちょうだい
2回キスして、それからもう一度キスして
いつからこんな気持ちになっちゃったのかしら

ガーシュウィン兄弟のミュージカル『うぬぼれ屋さん Smarty』は、1927年にフィラディルフィアで初演されましたが、このときは不入りで話題にもなりませんでした。
タイトルも『ファニー・フェィス Funny Face』と改め、ニューヨークのアルヴィン劇場で上演された際には、ストーリーを手直ししたり挿入歌を差し替えたりしてそこそこのヒットとなったものの、このときの公演では「How Long Has This Been Going On」は使用されませんでした。

その後、1957年に映画化(『パリの恋人 Funny Face』)された際に、オードリー・ヘプバーンが図書館の場面で唄って、ようやく陽の目を見ることができました。
ガーシュウィン兄弟の曲には、このように発表時からずいぶん経ってからスタンダード化したものが少なくありません。
『パリの恋人』は舞台のタイトル(『Funny Face』)だけを借りて作られたスタンリー・ドーネン監督のミュージカル映画で、ヘプバーンとフレッド・アステアを想定して新たにストーリーを書いた別モノです。オリジナルの歌詞はここで紹介しているように、純朴な青年と売春婦の間で交わされる純愛の気持ちを歌ったものでした。

男女問わず録音が多く、メロディが素晴らしい人気曲なので推薦盤の選定は随分迷いました。
エラ、サラ、カーメンの御三家も録音しており、どれも世評は高いのですが、どうも泥臭くて……好みの問題ですけどね。

スタン・ケントンのピアノだけを相手にデュエットしているシンプル・イズ・ベストなジューン・クリスティ盤と、恋の悦びを噛みしめるように唄うルイ・アームストロング&オスカー・ピーターソン盤が特にオススメです。
ペギー・リーのレコードは、ベニー・グッドマンとの共演38曲を完全収録した2枚組。24曲をチョイスした日本企画盤(Sony)もあります。
ホリー・コールは1990年のライヴ録音。翳りのあるハスキー・ヴォイスが曲想にマッチして、切ない気持ちがひしひしと伝わってくる名演です。

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「How Long Has This Been Going On?」収録アルバム (輸入盤CD)
「ハウ・ロング・ハズ・ジス・ビーン・ゴーイング・オン?」収録アルバム (国内盤CD)
ジョージ・ガーシュウィン (DVD・CD/楽譜、伝記・評伝など)

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