(RCA Red Seal/BMG Classics)
total time: 50:51
Composer by Sergei Prokofiev
Score reconstructed from the original soundtrack and arranged by William D. Brohn
St. Petersburg Philharmonic Orchestra
Conductor by Yuri Temirkanov
Evgenis Gorohovskaya, mezzo-soprano
with the Chorus of St.Petersburg Teleradio Company
the Chamber Chorus of St.Petersburg
and the St.Petersburg Chorus Capell "LIK"
Recorded on March 16&17 1993
in Philharmonia Hall. St.Petersburg
13世紀、ロシアの民衆は、残虐非道なゲルマン騎士修道会の侵攻を阻止すべく、北欧の英雄ノヴゴドロゴ公アレクサンドルを大将に迎え決戦に臨む。モンタージュ理論を確立し映画表現に多大の貢献を成したセルゲイ・M・エイゼンシュテインによる、初めてのトーキー映画。数千のエキストラが入り乱れて激突するクライマックス、チュドスコエ湖の氷上で繰り広げられる30分にも及ぶ戦闘シーンが圧巻。
脚本はエイゼンシュテインとピョートル・A・パブレンコの共同。撮影はエイゼンシュテイン映画の常連キャメラマン、エドゥアルド・ティッセ。出演は、ネフスキーに『ドン・キホーテ』(1957)のニコライ・チェルカーソフほか、ニコライ・T・オフロプコフ、アレクサンドル・L・アブリコソフなど。
1941年第1回スターリン賞受賞のプロパガンダ超大作。日本ではATGの配給により 1962年12月に公開された。
音楽はセルゲイ・プロコフィエフが担当。映像と音の相互関連からモンタージュ理論を展開するエイゼンシュテインとは相性が良かったらしく、コンビは『イワン雷帝・第一部』『同・第二部』(1944/46年)へと継続する。
忍び寄るゲルマン騎士団の軍靴の響きは不気味に禍々しく、ロシア農民は素朴で力強い牧歌的なメロディ。英雄の登場を告げるファンファーレ、ティンパニーほか打楽器群によって叩きつけられる熾烈な戦闘音楽、戦いの惨状を嘆く感動的なメゾ・ソプラノのアリア(「死の荒野」)、英雄讃歌のコーラス(「ネフスキーの歌」)。様々なモチーフを組み込んだ音楽世界は、目眩がしそうなほど贅沢で豪華。
プロコフィエフは映画完成の翌1939年に、映画からの音楽を7つのパートから成るカンタータとして発表。ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団による1945年録音のレコード(CBS)がヒットした。
ここに紹介しているCDは、1993年、ウィリアム・D・ブローンが映画のサウンドトラックより採譜(リコンストラクト)したスコアに基づくもので、カンタータ版7曲を含む51分/18トラックを収録。「氷上の戦い The Battle on the Ice」と副題が付けられた9〜14トラックには、延々と続く戦闘場面の音楽が馬の蹄や戦闘の効果音を交えてまとめられ、映画音楽(サウンドトラック)的な演出がなされている。
演奏はユーリ・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団。
演奏・録音ともに優秀で非の打ち所がない。名盤。
余談だが、『スター・ウォーズ』の戦闘隊員たちのコスチュームは、この映画で戦士たちが身につけていた甲冑をヒントにしたと、ルーカス本人が語っていたのをどこかで読んだことがある。また、これはまったくの独断的想像だが、『ファントム・メナス』の「運命の闘い」は、本作の「氷上の戦い」を参考に作曲されていると思う。
(Sound Track Factory)
パブリックドメイン(著作権切れ)のサウンドトラック盤を製造販売しているスペインのレーベルからリリースされた、(音源をどこから持ってきたのか説明して欲しい)サウンドトラック盤。57分/16トラック収録。デジタル・リマスターしているそうだが、如何せん元の映画に収められている音源の質が悪すぎる。上記のRCA盤を聴いたあとではゴミにしか思えない。
なにがなんでもサントラ音源でなければダメだという偏執狂的愛好家向けの1枚。
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