standard songbook / My Foolish Heart

ジャズ倶楽部

My Foolish Heart

1949年
作詞/ネッド・ワシントン Ned Washington
作曲/ヴィクター・ヤング Victor Young

Waltz for Debby
Waltz for Debby / Bill Evans Trio (Riverside)
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Mister B
Mister B / Billy Eckstine (ASV/Living Era)
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Couldn't Be Hotter
Couldn't Be Hotter / Manhattan Transfer (Telarc)
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Girl Talk / Holly Cole Trio (Alert Canada)
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Standards and Jazz
INDEX

ジャズ・スタンダード楽譜

夜の調べが、私の愚かなる心に警告している
月は普段と変わりなく輝いて、私の愚かなる心を心配している
恋と誘惑は似て異なるもの
だけど、こんな夜には区別がつかなくなる
キスの魔法に惑わされた夜は、どちらも同じだと錯覚してしまう

彼の唇が、私の愚かなる心に近づいてくる
だけど、二人の渇いた唇が重なってしまったら、恋の火花を飛ばしましょう
これは誘惑なんかではないわ、儚く壊れる夢でもないの
私の愚かなる心よ、これは真実の恋なのよ


稀代のメロディ・メイカー、ヴィクター・ヤングが作曲した、1949年製作『愚かなり我が心(My Foolish Heart)』の映画主題歌。
映画の内容は……
寄宿制女学校の生徒スーザン・ヘイウォードがダナ・アンドリュウスと恋におちて……品行不良を理由に退学となったのち、彼は軍隊に招集され戦死。彼の子どもを宿していることを隠したまま、ヘイウォードは女学校で親友だった娘のボーイフレンドを掠奪して結婚。しかし夫婦生活は破綻し、彼女は次第に酒に溺れてゆく……
原作は『ライ麦畑でつかまえて』のJ.D.サリンジャー。監督は『逆転』、『大地震』などのマーク・ロプスン。公開時はヘイウォードの演技が絶賛されましたが、良くも悪くも典型的なメロドラマで、評価されるほどの映画とは思えず、ヤングの音楽ばかりに気をとられて観ました。

作詞のネッド・ワシントンは、ディミトリー・ティオムキンとのコンビで、『真昼の決闘』(52年)の「Do Not Forsake Me on My Darlin'」、『野生の息吹き』(57年)の「Wild is the Wind」、『許されざる者』(60年)の「The Unforgiven」など、西部劇主題歌を数多く書いています。
ヤングとのコンビでは、映画『呪いの家』(1944年)のテーマ曲「月影のステラ Stella by Starlight」も作詞しています。

実は、この曲を採り上げてから、困ったことに気付きました。ビル・エバンスのRiverside盤以外に、推薦すべきCDを思いつかなかったのです。とにかく「My Foolish Heart」といえば、真っ先に挙げられる名盤。聴くたびにいろんな発見があるのですが、最近はスコット・ラファロ(ベース)のデリケートなサポートぶりを愉しんで聴いています。
ビリー・エクスタインのレコードは映画が公開された翌年(1950年)に録音されたもので、当時はヒットチャートにのぼるヒットとなりました。
近年の録音ではホリー・コールの、リラックスしたライヴ盤が印象に残っています。Jazzっぽいフィーリングは希薄で、ポップスとの境界線に位置しているような彼女ですが、元が映画の主題歌なので、これはこれでいいのだ。

映画『愚かなり我が心』DVD (Amazon.co.jp)

「My Foolish Heart」収録アルバム (輸入盤CD)
「マイ・フーリッシュ・ハート」収録アルバム (国内盤CD)
ヴィクター・ヤング (DVD・CD/楽譜、伝記・評伝など)
soe006; E-mail address; soe006@hotmail.com