1953年
作詞/ジョニー・バーク Johnny Burke
作曲/ジミー・ヴァン・ヒューゼン Jimmy Van Heusen
たぶん、私は、夢の残滓をとっておくべきだんたんだろうな
滑稽だね、ここに、あのときの雨の日がよみがえるなんて
笑い飛ばしたはずの、あの雨の日だったのにさ
恋人を傍に連れて来た後、何処かに消えた、あの雨の日
恋は冷たい雨へと変わっちまった
滑稽だね、ここに、あのときの雨の日がよみがえるなんて
1953年、アメリカの映画監督プレストン・スタージェス(Preston Sturges)は、1936年のフランス映画『女だけの都(La Kermesse Heroique)』を脚色(監督も)して、『Carnival in Flanders』(未公開)を製作しました。
この映画をベースに、スタージェス自身が(舞台台本も書いて)ミュージカル化したのが『フランダースの謝肉祭(Carnival in Flanders)』(53年)。「Here's That Rainy Day」は、ジョニー・バークとジミー・ヴァン・ヒューゼンがこのミュージカルの挿入歌として作った曲です。
ちょっと面倒くさい経緯の説明でしたが、ご理解いただけましたでしょうか?
つまり元になっているのは、ジャック・フェーデ(監督)・シャルル・スパーク(脚本)のフランス映画『女だけの都』だよ、ってことであります。
ハリウッドってところは昔っから、銭になりそうなものは何でも吸収していたのですね。
最近はアジア圏の映画を盛んにリメイクしております。
ミュージカルの舞台は大コケ、わずか6日で幕を閉じました。
よく曲が残ったものだと感心&感謝です。
歌詞は、まぁ、面白くも可笑しくもないものですが、メロディが素晴らしい。
好きなスタンダード・ナンバーを100曲選ぶとしたら、絶対に外せない。大、大、大好きなメロディなのであります。
ほとんどのミュージシャンが、テンポを柔軟に伸縮させて(これをルパートって呼びます)唄っています。味のある演奏も多く録音されています。
最近のお気に入りは、サミー・デイビスJrがローリンド・アルメイダのギター1本を相手に切々とバラードを語るReprise盤。このレコードには「Misty」「Speak Low」など、しみじみ良い歌唱ばかり10曲収録されているのですが、未だCDになっておりません。残念です。カモメは何もリターン・トゥ・フォーエヴァーだけではありませぬ。早急にCD化するよう、レコード会社に強く希望しますです。
(2005年07月11日:追記)CD化されました。
デューク・ジョーダンのデンマーク録音盤も、実に淡々とした味わいの愛聴盤。ヤマっ気のないピアニストなので、何枚も続けて聴く気にはなりませんが、この1枚だけはAB両面続けて(CDなら1枚通して)聴いても飽きないのであります。
ここに並べた4枚は「Here's That Rainy Day」だけでなく、アルバムに収録されたすべての曲が聴きモノの良質良盤。買って損はありませんです。
あくまでも個人的な価値観によるものですけどね。
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