standard songbook / The Girl from Ipanema

ジャズ倶楽部

The Girl from Ipanema

1963年
作詞/ヴィニシオス・ジ・モライス Vinicius De Moraes
英詞/ノーマン・ギンベル Norman Gimbel
作曲/アントニオ・カルロス・ジョビン Antonio Carlos Jobim

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Standards and Jazz
INDEX

ジャズ・スタンダード楽譜

スタイル抜群の陽焼けした肌の娘が、イパネマからやってくる
彼女の足取りはクールにスウィングしていて、まるでサンバみたいなのさ
だから、彼女が前を通り過ぎると、誰もが「アァ〜」ってため息をつくのさ

ぼくは、ただ彼女を見つめているだけ
好きだなんて、とても告白できない
彼女のためなら、すべてを捧げてもいいのに
でも、彼女はぼくのことなんか気にかけちゃいない
まっすぐ海にむかって歩いていくのさ


夏の定番、ボサ・ノヴァといえば真っ先に挙げられるのが「The Girl from Ipanema」。
イパネマ海岸は、コパカバーナの南端の岬から車で10分くらいの場所にある静かな高級住宅街で、本当に陽に焼けた肌のお嬢さんがビキニ姿で歩いている(らしい)。
この海岸の街で青春期を過ごしたアントニオ・カルロス・ジョビンは、「カフェテリアで仲間とダベっているとき、毎日、店の前を通り過ぎていく素敵な女性がいて、ぼくはその頃の片想いの気持ちを曲にしたんだ」と、あるインタビューで語っていました。

カルロス・ジョビンは、幼い頃からクラシック・ピアノを勉強し、ナイトクラブで演奏していましたが、レコード会社に勤めると作・編曲を任されるようになります。このとき詩人のヴィニシウス・ジ・モライスと知り合い、次々とボサ・ノヴァの名曲を世に送り出しました。
歌詞は「イパネマの娘」ですが、女性シンガーが唄うときはタイトルも「イパネマの少年」と変えている場合があります。

誤解している人が多いけど、ボサ・ノヴァはアメリカ生まれの音楽です。
ブラジルのサンバのリズムをアメリカン・ポップスと融合させた、一種のフュージョン・ミュージックで、リズムはサンバのリズムを踏襲しているものの、メロディとハーモニーはサンバより複雑で洗練されたものになっています。
とはいえ、やはりボサ・ノヴァは英語よりもポルトガル語の歌詞で聴いたほうが、よりそれっぽい感じがしますね。
1960年代、ボサ・ノヴァは世界中でブームとなり、フランク・シナトラをはじめ多くのミュージシャンがボサ・ノヴァ・アルバムをレコーディングしました。
ボサ・ノヴァがJazzであるかどうかの議論はありますが、Jazzのミュージシャンに与えた影響は計り知れないものがあります。

レコードは、ブームの発火点となったVarveレーベルのゲッツ=ジルベルト盤を最初に挙げるのが順当でしょう。
ゲッツの歌心溢れるテナー・サックス、ジョアン・ジルベルトのギターとヴォーカル、そしてカルロス・ジョビンのピアノ。三者が見事に調和して奇蹟のような音楽世界が創造されました。1964年度のグラミー賞を受賞し、ジョアン・ジルベルトの通訳で、まったくの素人だった(当時の)奥さんアストラッド・ジルベルトも、この1曲でスターになりました。

「The Girl from Ipanema」収録アルバム (輸入盤CD)
「イパネマの娘」収録アルバム (国内盤CD)
アントニオ・カルロス・ジョビン (DVD・CD/楽譜、伝記・評伝など)
soe006; E-mail address; soe006@hotmail.com