standard songbook / God Bless' the Child

ジャズ倶楽部

God Bless' the Child

1941年
作詞・作曲/ビリー・ホリデイ Billie Holiday
      アーサー・ハーズォグ・ジュニア Arthur Herzog Jr.

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Standards and Jazz
INDEX

ジャズ・スタンダード楽譜

富める者はますます富み、貧しき者は更に失う
聖書にあるとおり、それは今でもそうなんだよね
ママは持っているし、パパも持っている
だけど神様は、自分の努力で手に入れようとする子を祝福するんだね
強い者はますます強くなるし、弱い者は消えていくだけ
ポケットが空じゃ成功なんて無理だしね

あんたにゃ友達が沢山いるだろ、ドアのまわりに群がってるだろ
だけどあんたがお金を使い切ったら、もう誰も来てくれないのさ

親戚が金持ちだったら、パンを恵んでくれるかも知れないね
それでも人生、やっていけるけどさ
だけど、他人の施しに多くを期待しちゃ駄目だよ
ママは持っているし、パパも持っている
だけど神様は、自分の努力で手に入れようとする子を祝福するんだね


「しょせん世の中、銭がすべて」と「他人に期待するより、自分で稼げ」という二つの真実を、適度なユーモアで味付けしている。そのシニカルな視点がビリー・ホリデイらしい。彼女の曲の中でも最も好きな曲のひとつ。

この曲の歌詞は実話に基づいている。
当時のビリーはカウント・ベイシー(Count Basie)楽団やアーティ・ショウ(Artie Shaw)楽団のスター歌手として脚光を浴び、またミュージシャン仲間にも「レディ・デイ」と呼ばれ可愛がられていた。ドアのまわりに友達が群がっていたってわけですね。
順調に稼いでいるときは、それに見合った出費もあるわけで、ちょっと懐が寂しくなっちゃった。
そこで母親が経営していた(一説にはビリーが資金を出して開いた)カフェテリアに、「ねぇちょっとお金貸してよ」と借金を申し込んだところ無碍に断られたという。
アタマにきたビリーは聖書にある「神は自ら助くる者を助く」って言葉をモチーフにして、母親への当てつけに、皮肉たっぷりのこの曲を作ったということです。

いやぁ、実にイイお話ですねぇ。もしお母さんが、「いいわよ、そこのレジから要るぶん持っていきなさい」なんて甘やかしてたら、この名曲は生まれていなかったんですよ。厳しい親って、やっぱり社会の基本です。(きっぱりと断言!)
さて、そんな個人的な恨み辛みによって出来た曲ですから、最初の1枚は当然、ビリーのレコードからいきましょう。1941年の録音です。
ロック風にビートを強調したキース・ジャレット(Keith Jarrett)のECM盤も面白いですよ。
ビリーとの共演経験もあるケニー・バレル(Kenny Burrell)もCTIレーベルに録音しているけど、ドン・セベスキー(Don Sebesky)編曲のストリングスが引っかるので今回は見送ることにしました。

「God Bless' the Child」収録アルバム (輸入盤CD)
「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」収録アルバム (国内盤CD)
ビリー・ホリデイ (DVD・CD/楽譜、伝記・評伝、写真集、ポスターなど)

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soe006; E-mail address; soe006@hotmail.com
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