standard songbook / Bye Bye Blackbird

ジャズ倶楽部

Bye Bye Blackbird

1926年
作詞/モート・ディクソン Mort Dixon
作曲/レイ・ヘンダーソン Ray Henderson

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In The Cool Of The Evening / Dean Martin (Pop international)
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The Whem of Sam With Marty Paich
The Whem of Sam With Marty Paich / Sammy Davis Jr (Reprise)
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Bill Henderson Sings
Bill Henderson Sings (Vee Jay)
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Standards and Jazz
INDEX

ジャズ・スタンダード楽譜

ブラック・バード
一日じゅう部屋に居座って、ブルースばかりを唄っている
ブラック・バード
冬の間じゅうそうしてブラブラしているお前をみていると、俺は鬱陶しい気分だぜ
俺は行くぞ、太陽が輝く場所へ

ブルー・バード
ずっとお前に会いたいと思っていた
ブルー・バード
今日こそラッキー・デイ、俺の夢が実現する日だ

不安も悩みも鞄に仕舞って、歌でも口ずさみながら、俺は出掛けるよ
さよなら、ブラック・バード
誰かが俺を待ってくれている
シュガーのように甘い彼女が待ってくれている
さよなら、ブラック・バード
ここじゃ誰も俺を理解してくれないし、愛してもくれない
耳にするのは酷い話ばかり
ベッドを用意しておいてくれ
到着は今夜遅くになりそうだから、灯りも点けておいてくれよ
さよなら、ブラック・バード


一日じゅう部屋に居座ってブルースばかりを唄っているブラック・バードって、カラスでしょうか?
それとも愛情が冷めてしまい、今ではガミガミ煩いだけの存在となった古女房?
歌の世界じゃネガティブに扱われることが多い青色(ブルー・バード)が、ここではブラックとの対比で善玉になっていますね。もっとも「My Blue Heaven(私の青空)」なんて曲もあったわけだし、ブルーはネガティブ一辺倒に使われているわけじゃないようです。
この曲は1926年に作られ、エディ・キャンター(Eddie Cantor)によって録音されました。その後、映画『Rainbow 'Round My Shoulder』(52年)でフランキー・レイン(Frankie Laine)が、54年に製作されたエディ・キャンターの伝記映画『The Eddie Cantor Story』ではキャンター自身が歌っていました。
リリアン・ヘルマンの回想記をもとにフレッド・ジンネマン監督が映画化した『ジュリア』(77年)のなかでも、この曲が使用されていたのを最近ビデオで確認しました(ちなみにリリアン・ヘルマンの夫はハードボイルド小説の巨匠ダシール・ハメットです)。
当ページを作成するにあたって参考にさせていただいている『ジャズ詩大全』の著者、村尾睦男さんは、「(外に)彼女がいるというのは嘘で、いかにも彼女がいるという作りばなしをしてブラックバード(女房)に当てつけるようにいい格好をしながら出ていこうとしている、どうもそんなふうに聞こえてしまう」という解釈をされています。うん、その方がドラマとしては面白いですね。喧嘩のたびにそんなやりとりをしていた夫婦を、実際に知っています(現在別居中……笑えない?)。

まぁ、そんな内容の歌なので、この曲を唄うには大人の遊びごころと適度のユーモアがなきゃいけません。ラット・パック(Rat Pack=シナトラ一家)の出番でしょう。

『ジャズ詩大全』(中央アート出版社)は、2003年4月までに17巻と別巻1が上梓されています。

「Bye Bye Blackbird」収録アルバム (輸入盤CD)
「バイ・バイ・ブラックバード」収録アルバム (国内盤CD)
soe006; E-mail address; soe006@hotmail.com