あなたは希望に満ち溢れ、まるで春の訪れのようだ
あなたは息が詰まるほどの夜の静寂
星のように、天使のように輝いている
あなたの存在こそが、私にとって最も大切なこと
いつかきっと、私の腕はあなたを抱くことだろう
そしていつかきっと、あなたのすべてが私のものになる
その時こそが、私の最大の倖せの瞬間となるだろう
原詩は比喩が多く、俺は英語力皆無なので訳すのにとても苦労しました。
前半は相手を褒めちぎってますが、後半に本性を現します。けっこうスケベな歌詞です。
けっきょくソレかい!ってツッコミ入れたくなりますね。
このような難解な歌詞は、そのまま原詩を載っけちゃったほうが手っ取り早いんですが、そのほうが上記のような原曲を冒涜したような意訳を載っけるよりウンと良いのですが、それやっちゃうと著作権法的にマズいんで、とりあえず俺のヘンテコな意訳でご勘弁ください。国内盤のCDを買うとライナーノートに歌詞は載っているんで、これを鵜呑みにせず、どうぞそちらをご参照ください。
格調高い歌詞で俺を困らせたのはオスカー・ハマーシュタイン2世。
この人、「Things」って単語がお好きらしく、他の歌詞の中にもよく出てきます。『サウンド・オブ・ミュージック』のヒット・チューン「My Favorite Things」もハマーさんの作詞ですね。
当サイトのコンテンツ・タイトルも、ここから拝借しております。決して「私の好きなモノ」と、ポルノチックに訳さないでください。「私のお気に入り」というちゃんとした邦題が存在します。
ちなみに日本で最初に「私の好きなもの」と訳したのはジャズ評論家の岩浪洋三さん。冗談で訳したタイトルがいつの間にか一人歩きしたらしい。国内盤のライナーノートで初めて「私の好きなもの」って曲名を目にしたときはギョッとしましたぜ。
作曲はアメリカ音楽の始祖、ジェローム・カーン。
1939年のミュージカル『Very Warm for May(暖ったか過ぎる5月だね)』のために作られた曲ですが、舞台は不当たりで59回しか上演されなかったそうです。
この失敗によってカーンはブロードウェイを離れ、以後はハリウッドで映画の仕事をするようになりました。
転調の多い難曲なのでミュージシャンのアドリブ魂を奮い立たせるのでしょうか、この曲の器楽演奏にはアップテンポのものが多いです。しかし、歌詞を読んでいただけばお判りのとおり、スローで唄うのが正解でしょう。そのセンでいきますと、まず最初の1枚は『Art Tatum Ben Webster/Masterpieces』でしょうか?
CD『Very Warm For May』1939 Original Broadway Cast(Amazon.co.jp)
- 「All the Things You Are」収録アルバム (輸入盤CD)
- 「オール・ザ・シングス・ユー・アー」収録アルバム (国内盤CD)
- オスカー・ハマーシュタイン2世 (DVD・CD/楽譜、伝記・評伝など)
- ジェローム・カーン (DVD・CD/楽譜、伝記・評伝など)
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